長井・・・山林の小さな土地と不法投棄問題

身内に押し付けられた土地がある。
そこは、父親の実家のある長井という町にあり、市内とはいえ自分の住む久里浜とは三浦半島の対岸にあたり、半島を縦断しなければ たどり着けない。

土地は、クルマが2〜3台停められるかどうかの小ささで(後にもう少し広くなった)、形は細い市道にへばりつくように細長い。おまけに山林扱いで調整区域という事もあって、自分には使い道がない。

が、自分に無くても、他人には使い道があるようで、ここに夜間クルマで乗り付けてゴミを投棄するヤツがいる。

・・・・・・・・・・・・

オレの名義にして、押し付けられた話は大昔に聞いていたが、場所は「何となくあそこか?」程度に曖昧で、畑の中にあるので何の目印もなく、叔父に聞いて場所を特定したのが2017年。

だいたい当たりをつけていた場所だった。昔、叔父とともに暗闇の中を荷物を運び込むため1〜2度行ったことがある。

2018年2月、長井に住む従兄から電話があった。〝不法投棄について警察から事情を聞かれた〟とのこと。

不法投棄に関しては、前々から知っていて、これ以上捨てられないためには、何か対策しなけりゃ・・・その後ゴミの片付けか・・・と、思いながら、重い腰が上がらずにいた。

この事をウチの奥さんに話し、単管パイプか何かで、クルマが乗り入れられないようにしないと・・・と、話すと

「そもそも、本当に自分の名義になっているか調べてからの方が良くない?もし、名義が変わってなかったら、よその土地のゴミを、わざわざコッチで片付ける事もないんだし・・・」

とのこと。まったくその通りなわけで、市役所と法務局へ確認に向かった。

所有者が誰なのか?調べるためには地番が必要ということだが、農地や山林の番地や地番って調べられるのか?

ネットの情報で、農業委員会で調べた・・・という記事を頼りに農業委員会のある市役所へ向かった。

結論から言えば調べられなかった。法務局で調べて欲しい・・・とのこと。ブルーマップ(詳細地図)のコピーをもらい、法務局へ向かう。

法務局では、先ほどと同じブルーマップで該当するエリアのページを開き「ココなんですけど、地番って調べられます?」と、指差した(実際には指させるほどの大きさは無く、シャーペンの先で慎重に指定した)。

百戦錬磨風の女性職員はデカイ虫眼鏡で、それはそれは小さな土地を覗き込んだ。オレも一緒に覗き込むと、問題の狭小地の場所は他の土地のように区分されてはおらず、背後に広がる広い土地の一部分に属している、という表記となっていた。

つまり〝東京湾の入り口に突き出した半島の名前を調べようとしたが、「三浦半島」とは書かれておらず、境界線も書かれていない。ただ、その半島の属する長細く大きな島に「日本」とだけ書かれていた・・・。〟と言ったらいいだろうか(余計解らないか)。

職員は〝この辺りを中心にした公図を出せば、記載があるかもしれないが、載ってない可能性もある。費用もかかる。〟と言う。

聞けば450円。なので、お願いして、数年前に建てられたばかりのキレイな建物内で待っていると、10分ほどで呼び出された。

再び一緒に地図(公図)を覗き込む。

やはり解らない・・・

百戦錬磨の女性職員も真剣な表情で親身に考えてくれるものの、やはり解らないと言う。

「道路が移動している可能性がありますね」と、呟く(え?そんな事あるの?)

やがてキッパリした表情で「古い公図なら或いは解るかもしれません!」(ほ、ほんとー!??)

現代の公図で解らなかった事が、なんでそれ以前の公図でわかるのか?その辺りは初戦で人生を終える男と、百戦(いや万戦)で錬磨してきた女の違いだろう。(その点については色々と教えてくれたが、難しいし、忘れた。)

しかし、判るかもしれないが、判らない可能性もある。費用もかかる。と言う。

もう、目の前のキリッとした頼り甲斐のあるこの職員しか当てにできる相手はいないのだ。

値段を聞くと、古い公図でも450円だと言う。お願いして待つ事10分。呼ばれて出向いたカウンターには、江戸時代の地図があった。

いや、本当のところ江戸時代かは不明だが、テレビでよく見る江戸城とか武家屋敷とかの描かれた地図と同じタッチ。忠敬タッチの地図(と言うか絵?)みたいなものがそこにあった。

再び職員さんと、確認するが、もう、メインの通り(っても人道?)の位置も違うし、更にわからなくなった。

もう、諦めるしかないか。この職員さんには本当にお世話になった。一緒に調べてくれるなんて事は本来の仕事ではないだろうし、そもそも、こんな事を業務としてやってはいけないんじゃ?とも思う。

地番から調べる事はやめて、別の方法として職員さんに聞いてみた。「持ち主を知りたいっていうより、私が持ってる土地の一覧って調べられますよね?もし、長井に土地を持ってるって事なになれば、その中にこの周辺の土地の住所って載ってるんじゃ?・・・それを元にして場所を特定する・・・って、できますよね?」

職員さんはアッサリできると教えてくれた。それを調べるのなら市役所だ、とも。

市役所に来た。窓口で、自分の持っている土地の証明みたいなものを出してもらえると思うんですけど・・・と、尋ねると「証明にはなりません。メモのような記録をお渡しするだけです。」とのこと。それで充分なので早速お願いして出してもらうと・・・たしかに、オレの名前の書類には“横須賀市長井◯◯◯◯”とあった。法務局の公図と照らし合わせると、現実の場所と一致はしないが、近くのそれらしき場所に それらしきカタチの土地の記載はある。やはりオレの名義なのか・・・

あのゴミをオレが片付けなきゃならない・・・って事が決定したのだ。
そんなわけで、しばらくこのブログで、片付けの様子をアップしておこうと思う。

会話の中で職員さんは、古い方の公図は大正のものだと教えてくれた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする